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2025/06/04 | X線光電子分光分析装置での粉末の測定について
最近、分析室内にサンプルの粉末の一部が舞って、分析室内で気体を出し続けることにより、真空度が継続的に悪化する事例がありました。
6月初旬に実施した整備でも、分析室内に舞った粉体が多く見受けられました。
粉末の測定は、次の手順でサンプリングしてください。
・サンプルホルダを数日占有することになりますので、研究室ごとに
必要数を購入してください。
・サンプルホルダをアセトンで洗浄(超音波洗浄)します。
・最低限の量のカーボンテープ、接着剤等を使用して、できるだけ少量の
粉末を薄く固定します。
多量の粉体を載せると真空度が上がりません。
(測定エリアは、100μm(=0.1mm)φです。)
接着剤を使用する場合、粉末が接着剤に埋まらないようにしてください。
・接着剤硬化後、ホルダを机にトントン当て衝撃を加えた後、カメラ
レンズ用のブロワーを使い空気をかけて剥離したものを吹き飛ばします。
これを30回程度繰り返します。
・事前に研究室の真空チャンバで十分(3日間程度)脱気します。
ペレット状にプレスし、固めた粉末が割れていたり、インジウム箔に埋め込んだ粉末が埋め込みが上手くいかず浮いている場合のサンプル導入は禁止します。
導入室で真空度が上がらない場合に、体積を減らすためにプレスしたサンプルを割って、体積を減らすことも禁止します。
割れた箇所が非常に脆くなって、分析室内に粉末が落ちやすくなります。
最初から必要最小限のサンプルでサンプリングしてください。
またプレスや、インジウムへの埋め込みのための打撃により、XPSで測定するサンプル最表面の状態が変化する(プレス型やハンマーに付着していた物質がサンプル表面に移動し検出される可能性がある)ことに注意してください。
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